手に職といえば、看護師が思い浮かびますよね。これから看護学校に通おうと思っている方、病院奨学金をご存知ですか?
- 日本学生支援機構の奨学金:看護学生に限らない、日本最大の公的奨学金。
- 都道府県・市町村の看護師等修学資金貸与事業:卒後にその都道府県の指定の医療機関で一定期間働くことにより返済が免除される。
- 病院奨学金:その病院独自の奨学金。卒後、その病院で一定期間働くことにより返済が免除される。
この③で、他の奨学金制度と併用することができます。
実際わたしも3年間の看護専門学校で奨学金を約200万もらい、3年間の病院勤務で、奨学金返済が免除になりました。
奨学金の返済義務がなくなって思うことは、タダになってよかった!けど余裕かあるなら借りないに越したことはない!です。
今回はわたしの体験に基づいた、病院奨学金のメリット・デメリットを考えていきたいと思います。
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病院奨学金のメリット・デメリット
・規程の年数を働けば、返済が免除される
・学費の大部分が賄える
・奨学金を借りているので気が引き締まる
・就職活動が不要
・途中で学校や病院を辞めたら返済義務がある(一括返済を求められることが多い)
・辞めたくても辞めにくい、他の職場に転職しにくい
・病院奨学金だけで全てを賄えるわけではない
・生活費が別途必要
まず、この一定期間働いたら返済が免除されるというのが最大のメリットでありデメリットであります。
わたしは3年間の勤務で返済免除の条件で奨学金を借りました。
「どうせ新卒から3年は働くでしょ?」
と思いますよね。この3年というのがかなりキツイ!!んです。特に新卒1年目なんて辞めたい→けど辞めたら奨学金の返済がある というループで病んでしましました。看護師の離職率がなんで高いかというと、キツイからなんですよね。
わたしは大病院の急性期病棟だったので特に仕事内容も忙しいし、何より先輩からの当たりが辛くて毎日泣いていました。毎日残業で体も心もボロボロでした。
患者さんの命の責任が自分の手にあると思うと、重圧に押しつぶされそうで自死を考えたこともありました。
逆にいえば、「奨学金があるから続けざるを得ない」「親に迷惑はかけられない」という思いで、頑張れましたが……。わたしが3年間勤められたのは、奨学金があるから辞められないのと、2年目3年目になるにつれての仕事への慣れがでてきたからです。
数百万円を一括返済するってなかなか大変です。
病院奨学金を借りるとき、
辞めたい時に辞める自由 と 数百万の学費がタダになる ことを天秤にかけてどちらが後々後悔しないか考えてみてください。
もともと違う業種で同じ病院で働いていたことがあったり、強いメンタルをお持ちだったり、絶対3年間辞めない自信がある方には、返済免除になるのでオススメといえます。浮いた数百万円を他のことに使うこともできますからね。
返済しなければならないとき
- 看護学校の中退
- 規定年数を働かずに退職
- 奨学金をもらった病院に就職しない
- 留年を繰り返す
- 死亡時
- 国家試験不合格 など
病院によって規定は異なると思います。一括返済であったり、分割で返済できたりは様々です。わたしの病院は借りた年数の利子が上乗せの一括返済です。
また、一定期間の夜勤をしないと返済免除にならないなどの条件がある場合があります。
返済できないとき
本人が返済できなければ親や保証人が返済する必要があります。
他の病院に転職して、その病院に肩代わりしてもらうという手もあります。実際にわたしの同級生は転職エージェントの仲介で、転職先の病院に肩代わりしてもらっていました。
でも、病院を辞めなくても、他の病棟に異動する事で続けられるかもしれません。わたしの後輩は、急性期が合わず一時休職していましたが、なにせ奨学金が500万円あるため返済は難しく、慢性期へ移動する事で勤め続けることができました。
学費の全ては賄えない
わたしが借りていたのは月5万円の奨学金でした。
多くの学費は賄えましたが、もちろん教材費などそれだけでは足りないお金もありました。
思ったより必要だったのか、実習病院への交通費です。
うちの学校は、どこかの病院の付属ではなかったので、1つの実習の3週間ごとに県内のあちこちの病院を渡り歩いていました。徹夜で記録をしていたので、睡眠時間を確保するために遠方の実習の時は、月5万のウィークリーマンションを何度か借りたこともありました。同級生でホテル住まいをしている人もいました。
そういう費用がかかるので注意が必要です。
一括返済する自信がないなら……
日本学生支援機構の奨学金は、返済免除はないですが、辞めたときに一括返済を求められることはありません。ただ、奨学金を受けるのに選考に通る必要はあります。
社会人なら……
また、社会人から看護学校に入学する場合、雇用保険の給付制度である「専門実践教育訓練での教育訓練給付金制度」があります。
一定期間の雇用保険被保険者期間があると、「専門実践教育訓練指定講座」となっている学校へ通う場合に給付金を受けることができます。(厚生労働省HP)
詳しくはハローワークで確認してみましょう!
まとめ
わたしは返済免除になったので、結果的にお得でした。
夫は「200万タダでもらえるならめちゃくちゃいい制度じゃん」と言っていますが、本当に看護師の仕事ってしんどいです。同じ職場で3年続けるのがどれほどしんどいか。
看護師資格を持っていればどこでも働くことができます。
新人の時点で自分には合わない職場だと思っても、辞めることができないのは辛いです。
なのでわたしは余裕があるなら、病院奨学金は借りないか、もしくは公的奨学金をオススメします。
ありがとうございました。
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